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初めて観るのがこういうお芝居でこういう役っていうのはインパクト大な話

重いストーリーのお芝居を観たあとは、自分のなかで咀嚼する時間がほしいから、コロナ禍で終演後に演者との面会時間がなかったのは逆によかった。

妊娠と出産と堕胎、生命の意味と、その重さと軽さのお話。

Theater新宿スターフィールド×ユーキース・エンタテインメント提携公演
演劇ユニット愚者愚者
「産声が聴こえない。」
2022/7/8 19:00〜 Bキャスト公演
脚本・演出: 久我真悟
シングルキャスト: 元女咲紀 / きみと歩実 / 七々原瑚子 / 保坂直希 / 佐々木庸二 / 四宮由佳 / 小磯勝弥
Bキャスト: 松下軽美 / 小黒こまち / 石田彩 / 中澤龍 / 川崎未結

小黒こまちさんはNadja撮影会で何度か撮ったモデルさんで、でも本職は役者さん。生で演技観たのは初めて。「トリプル主演」の主演のうちの一人で、望まずに妊娠しちゃう女子高生の役。モデル撮影のときにも「見た目が幼い」って自虐的に言ってたけど、それを確信しちゃうような女子高生。

もう二人は、ネットカフェに住み着きながら身体を売ってる女性と、重度の妊活で夫から疎まれがちな妻。もうこの時点でどうにも救われないストーリーが予感されるわけだけど。

女子高生は絵に描いたようなチャラ男になし崩し的に避妊を避けられて妊娠しちゃうんだけど、お母さんが看護師(産婦人科)で、医師に諭されたり、胎児の火葬の現場(火葬場ではない)へ行ったり。そっちの知識が薄い僕にはどこまでリアリティーのある内容なのかわからず、でもリアルにせよアンリアルにせよいたたまれなさは大いに感じて、ああ…ってなってた。

妻の夫は浮気して、その浮気相手はネットカフェの子で。その子の周りにはやさぐれつつもやさしい友人たち。観ている方としては遠いような身近なような、やわくちゃな感情が入り交じって何ともいえない。でもベースには救われなさがずっとあるわけで。その波が徐々に大きくなってエンディングへ。

ガッツリバッドエンディングではないものの、うーむ、カタルシス。

最初に観るお芝居でこういうのドカンと来るとは思わなかった。次に会うときに感想言おうと思うんだけど、ちょっとどう言えばいいかしら。