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ミュージカルの空気感にあったまる話

観劇後の余韻がとてもよくて、じわ~っと腹の底にあったかいものが留まってる感覚で、帰りの電車でずっとほわほわしてた。

ユーキース・エンタテインメントvol.19 第四回園田英樹演劇祭
ミュージカル『バックホーム』
2016/7/14 19:30~ SPACE梟門
作・演出:園田英樹
出演 酒井蘭 / 神田莉緒香 / 長谷川唯 / 中島瑠美 / 今安琴奈 / 相原えみり / 鈴木千菜実 / 野田真愛 / 内山あきこ / 本宮佳奈 / 髙沼愛莉 / 三沢詩織
大迫洸太郎 / 仙城瑛 / 玉置康二 / 澤田拓郎

会場の空気感もよかったし、舞台上と客席のそれがお互いにいい影響を与え合うようで、そこも満足感の要因のひとつだったかなと。

14日の東京はすごい雨で、風も強かったから、傘をさしてても腰から下はずぶ濡れ。

会場は新宿三丁目駅すぐのSPACE梟門。70席の小さな箱に、かなりぎっしりのお客さんだった。席は運良く前の方に座れたけど、前列との間隔は狭くて足は伸ばせないし、ズボンは雨で濡れてたから隣にも悪くてほとんど動かせず。

でも雰囲気はよかったの。観劇前の諸注意では、最前列のちっちゃい子たちとのフレンドリーすぎる掛け合いが場を和ませてた。

『バックホーム』は、この演劇祭の三つある演目のうちの一つ。実は以前ちょっと興味ある子が出てたことがあって、タイトルと、ソフトボールが題材っていうのだけは知ってた。

廃部寸前の女子ソフトボール部。
なぜか彼女たちが、地球の命運をかけて宇宙人チームと試合することになってしまう。
負けたら地球は宇宙人のものとなってしまう!
勝てるの?こんなあたしたちに。

あらすじは大風呂敷になってるけど、もっと私的でほのぼのと、身近に感じられるお話。

ミュージカルを観るのはけっこう久しぶりで、そのせいか、生の歌声にいちいち感動してしまった。ライブのうぇいうぇいってのじゃなく、詩を伝えるための歌の方が好き。途中でタップダンスがあったり、試合のシーンでは狭いステージを広いグラウンドに見せるフォーメーションだったり、演出はどこを切り取っても楽しかった気がする。

相変わらず事前に調べて行かなかったんで、出演者は全員『役者さん』として観たんだけど、誰もがキラキラしてみえた。後で歌手やライブアイドルだったっていうのを知っても、プラスアルファで感じる部分だけでマイナスはなかった。

んで、お目当ての内山あきこちゃん。”ダサい子”役で、本人とその周りのスレ違いの間で笑わせるような役柄。撮影会のときに悩んでるっていってたけど、端から観てると美味しい役だなと。関わりの多い俳優さんがまた濃いキャラで、その部分は単純明快に笑っていられるのが気楽でよかった。

ストーリーは試合に向けて盛り上がり、勝敗を取っ払ってハッピーエンド。そのやさしい味付けはじーんと来る感じ。それが余韻のよさだったかな。

このお話って、元来はミュージカルじゃなかったらしいんだけど、これはミュージカルにしたの大正解だなと。

ダブルコールも時間が押してる(笑)と、園田さんがあいさつして終演。面会とかは特になく、さっと帰った。電車に揺られてる間も心はあったかで、こんなに気持ちにゆとりがあるのはめずらしいなあと実感してたくらい。

行ってよかったっす。