A’company Produce Vol.12
『BUZZWORD -Live our lives-』
2015/12/17〜20 TACCS1179
脚本/作詞/演出 村山歩
音楽 河谷萌奈美
振付 風間文
キャスト 米山雄太 / 倉本夏希 / 平野隆士 / 藤沢玲花 / 杉村成美
麻生あゆみ / 辻大地 / 松井優輝 / 坂本健太 / 松原瑚春 / 竹村心優 / 森杏奈 / 附田瑞姫 / 丸山はるか
teamB 堀井愛恵 / 本田真彩 / 坂西将 / 関塚千尋
teamW 石川なつ / 井次かなみ / 西内琢馬 / 金丸竜也
下落合駅周辺はお店が少なくて、到着してから少し彷徨う。寒いからトイレ近いんだけどコンビニでは断られ、結局戻って、お客がお年寄りばかりだったから一度素通りした駅近くのカフェへ。店員さんが親切だわお安いのに美味しいわで逆に正解だった。そうやって時間を調整したらTACCS1179へ。
開場少し過ぎた頃だったけどホールはもう混雑。入ったら客席も半分以上埋まってて、空いてた奥の席へ。そしたらそこはちょっと高くなってて観やすかった。初日ってこともあるのかほぼ満席。
上演は1時間50分。teamB公演。
異国のストリートチルドレンのお話。幸せなクリスマスを過ごしたことのない彼らの、忘れられないだろうクリスマス。
もっとミュージカル要素が濃いのかと思ってたけど、どっちかというと重いシーンが多いお芝居で、セリフも多かったからわりとがんばって観た。がんばったせいなのか、それとも別の要因か、1時間50分はあっという間だった。
役者の年齢は、下は8歳、約半分がホントの子どもだったから、歌がハモるときに子どもの声が混じってるとすごく反応しちゃう僕としては、そこはかなりビビビッときた。ダンスも合わせて、表情がそれぞれの役の延長で、彼らの目がキラキラと輝いているのは感動的。
物語は、ティムとルイスの友情を軸に、生き別れた後すっかりやさぐれたルイスの姉との顛末や、ストリートチルドレンたちの寂しさと快活さを描く。
米山さんがティムの朴訥さを、平野さんがルイスの繊細さをよく表現してたのが印象的。それを筆頭に〝大人〟の役者はそれぞれが役の個性をわりと明確に出してたので、観るうえでの助けになった。メアリーとイザベル、アンドリューとオースティン、コンビ展開が多いのも、それぞれが個性的で観てて楽しい。
〝子ども〟の役者は子どものリアル感がどこまで出せるかだと思うんだけど、アシュレイ役の竹村さんはつい目が行く存在感。コレットの附田さんはマスコット的なかわいさと、泣き顔がすごくよかった。
んで、お目当てのエマ役、藤沢玲花さん。冒頭のシーンでステージ中央で一斗缶叩いてたから「えっ?えっ?」て慌てたのもつかの間。貧しい彼らのなかに『良い家の子』が混じってる違和感は立ち居振る舞いですぐわかったし、病弱な女の子の守ってあげたい感を演じるのはわりと似合うのだなと。生舞台で今までと違う印象を抱いた点がたくさんあったのは収穫だった。
お話の展開は、ぜんぜん幸せな方向へ行かないんだけど、それでも彼らの強さがお互いの救いになって、「僕たちはここで生きている」というメッセージには清々しさも感じられた。爽やかな後味の舞台でした。
ところでタイトルの『BUZZWORD』、いわゆるバズワードとは違う意味で使ってるってことでいいのかしら。そこだけちょっと不安。