橘あるひさんとの撮影は、彼女の懐の深さで自由度が高いっていうのかしらなんていうのかしら、そういうゆったりまったり、
が、心地よい。
今回の撮影地は吉祥寺。
撮影するときってわりと場所が先に決まってて、そこに合わせた衣装をってなるんだけど、今回は逆に衣装が先に決まってて「その衣装だとどこがいいかしら」っていう、僕にしては珍しいパターンでの選択だった。吉祥寺は僕が抱いてた街のイメージ——現代的で小綺麗な景観より、ちょっと猥雑さのある感じ——なのかなっていう。そういえばハモニカ横丁があったよね。あるひさんとは以前、横浜・野毛の「ハーモニカ横丁(都橋商店街)」でも撮ったことがあったから、無意識に連想してたのかも。
ハモニカ横丁は吉祥寺駅の目の前の呑みの町。なんで「ハモニカ」かっていうと、狭い地域に小さな店が並んでるのをハモニカ(の吹き口)になぞらえて言ったから。
平日午後だったから人通りも少なく、っていうかそもそも開いてる店が少なくて、撮影にはストレスなかった。その名のとおりにすごく狭い路地だから、人が多いなかで撮ってたらジャマになっちゃう。もちろん歓楽街の雰囲気での撮影がしたい気持ちもあるんだけど、酔っ払いにおまえらジャマだって言われたら恐縮するしかない小心だからたぶんちょうどよかった。
じゃあ自分はどうなのよっていうと、これまでアルコールを入れた状態で撮影したことはないんだけど、ここは危険だった。だってまさに昼呑みする場所じゃないっすか。どうしたってそういう気持ちになる。いろんな系統のお店がバラエティに並んでてそれぞれ興味が湧いちゃったりもする。
衣装は彼女の小柄でかわいらしい雰囲気とは少し離れた、派手め柄のワンピース。これまでの撮影でもこういう大人の女性方向が多い気がする。僕としてはおもしろいので歓迎。
路地の雰囲気はとてもよくって、いわゆる女性ポートレートの背景じゃないのかもしれないけど、僕はたいへん好き。あるひさんもそういう方向はよろしいみたい。そういうモデルさんって実はけっこういらっしゃる? 数こなしてる方ほどポートレート然としたのばっかりだと飽きちゃいそうだから、こっち方面もいけるかしら。
横丁から一歩出るとびっくりするくらい小奇麗な町並みの区間があったりもして、あんまり行かないけど吉祥寺って撮影スポットとしては意外にバリエーションあるのかも。
休憩した後で最後に、ちょっと足を伸ばして井の頭恩賜公園へも。避暑地っぽく涼しげなのがよかった。この日は実はけっこう暑くて、それで僕から「休憩しましょうお茶しましょう」って言ってたくらいなんで。
ありがとうございました。またよろしくです。
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