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オリゲキ風味のコメディと新陳代謝の話

観に行くようになってからは「本公演は欠かさず」って思ってきた劇団ハーベスト。今回は他との兼ね合いもあってちょっと迷ってたんだけど、公演がはじまってからのSNSでの様子とかみてたらやっぱり観たくなって、行ってきてしまった。過去に錦織純平さんがゲスト公演した回はいつもすごく楽しかったから、そこでの不安はなかったのだけども。

劇団ハーベスト第12回公演
劇団ハーベスト×オリゲキ
「芸能事務所 錦芸能舎の夏」
2017/8/9 14:00〜 アトリエファンファーレ高円寺
脚本 錦織純平
演出 中村公平
出演 【劇団ハーベスト】 宮武佳央 / 川畑光瑠 / 加藤梨里香 / 高橋紗良 / 広瀬咲楽 / 井上結愛 / 葛岡有
【ゲスト】 野呂拓哉 / オダワラジョー / 錦織純平

錦織激団(オリゲキ)風味はこれまでと違って、かなり楽しかった。

前日が遅くて寝不足のとこへ、当日の東京は37℃の猛暑っていう。体調面でやや心配しながら高円寺駅、改札出てすぐのカフェで昼食をとってたらもう時間。

劇場へ入ると、手前と奥の二面舞台だった。最近多い気がする。流行ってるのかしら?

後から(場合によっては開演後に遅れて)来る客のことも考えると、まあ奥側から詰めますよねー。ハーベスト恒例のキャストによる前物販はもう始まってて、その横を通って定番の最後列へ。だんだん埋まっていく前の列も、この日に限って視界を遮る座高の高いおっさんは僕の前には来なかった。キセキ!

んで開演。

錦織純平さんが社長の錦芸能舎。所属タレントはハーベストの7人で、役名も芸名そのまんま。

小話が9話立ての、込み入ったストーリーはほぼなくて、彼女たちのレッスン風景とか、ユニット結成についての打ち合わせとか、路上ライブとか、そういった場面場面が次々と。頭にプロジェクターで壁へ映されるタイトルも思わせぶり。それぞれの話もきっちり独立してるわけじゃなく、後の話で複線が回収されたり(気づいてないのもありそう)。

笑いの要素は誰の影響かシュール路線。「うわ、やっべー」みたいな感じのもありつつ。

宮武佳央さんがセンターで、ヤバい川畑光瑠さんや社長との掛け合いがメインストーリー。その脇にがじゃがじゃっとサブストーリーが織り交ぜてある。それは、しっかりリーダーの加藤梨里香さん、天然ちゃんの高橋紗良さん、自由人の広瀬咲楽さんといった、それぞれの個性がそのまんま出たような。

みんなもう劇団内でのキャラは確立されたみたいだから、年少の二人、「そういう年頃」の井上結愛さんと「お金大好き!」の葛岡有さんも、つまりそういうことなんだろうかしら。二人は舞台上での存在感が増したねー。それはもう手に取るようにはっきりと。

ゲストの大人三人がとてもいいのだけど、その三人がほとんど絡まずにハーベストのメンバーだけでやる淡々としたコント(?)は、なかなか興味深かった。明確なストーリーテラーがいなくて、グループで進めていく感じとか。

コメディとはいえ、演劇っぽい色も着けながら、終演。

けっこう好きかも(笑)

さて。この公演の楽日をもって(出演してないけど)青山美郷さんと松永ミチルさんのハーベスト退団が発表された。そうですか…。青山さんの舞台上での安定した存在感、わりと扇の要的ポジションだったりもした松永さん、喪失感はやっぱりあるなあ。

何にでも新陳代謝は必要だし、劇団ハーベストは〝成長〟がテーマでもあるだろうから、新メンバー加入しかり、現メンバー離脱しかり、そういうのはどうしても必要だろうね。

できることならいつか客演したり、何らかの関わりがあったりすればいいんじゃないかな。