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芥川龍之介ワールド(たぶん)なのはタイトルで予想できたのに不勉強なまま観劇した話

東京ノ温度の公演は18回公演「まなつぼし」以来。そのときもこまっちゃんが出演してた。お話は違うんだけど、劇中での役割みたいなところは共通してて、そういうのを求められる役者さんなのかなと。

東京ノ温度 23回公演「あくたがわさん」 あくたがわぐみ
2024/10/16 19:00~ 下北沢「劇」小劇場
製作 東京ノ温度
出演 鵜川もえか / 水野以津美 / 矢萩麻里菜 / 猪瀬未帆 / 小黒こまち / 大久保藍 / 葵朝香 / 向原雄樹 / 奥脇大樹 / 倉多七与 / 本多一生 / 川島広輝

お話は、芥川龍之介の作品からいくつかの要素を借りながら、とある館での不思議な体験を語っていく。タイトルの「あくたがわさん」はAIの名前で、芥川作品を学習させた仮想現実シミュレーター的なもの。記者たちがそこを訪れる中で起こる顛末。

かつて文学少年を自称していながら、芥川作品は知ってたり知らなかったりで、すぐにピンとくる題材もあればサッパリわからないものもあった。小説だけじゃなく映画なんかにも触れてて、そこの知識はけっこうハードル高かったのでは。もちろんそのへんは知らなくても楽しめるお芝居にはなってたけど、やっぱり知ってた方が断然面白く感じるのだろうなあと、知らないながらもわかる感じだった。

いろいろあるなかでもファンタジー寄りの作品からのモチーフが多かったみたいで、お芝居もその雰囲気だった。こまっちゃんは謎の神様役。こういう無人格キャラはわりと似合っていそうでもあった。水野以津美いっつみーさんは以前にゴブリン串田さん主催で何度も観てた役者さんで、その時の「キリッとしててちょっと得体の知れない」独特な感じはそのままだった。舞台上の空気感は主役である鵜川さんがかなり強くて、それは客席にもちょっと感じた。

こまっちゃんの役がそうだったように、お芝居の色も前にみた「まなつぼし」と似たとこがあって、これが劇団カンパニーの色なんだなあと。

どんなお芝居でもなるべく事前情報を知らずに行くのだけど、今回ばかりはもう少し勉強しとけばよかったかなーと。まあ、芥川の作品を残らず読むとかは無理だとしても、せめてWikipediaに目を通しとくくらいは?

それでいて、お芝居そのものも時間をかけて煮詰めればもっといい作品になりそうな気配があって、そういう意味ではあんまり頭でっかちにしてなかったのが逆によかったのかもしれないなーとも。

コロナ禍で一回途切れたから、シモキタでお芝居観るってだけでなんか嬉しかった。街はけっこう変わっちゃったから、また覚えないとねー。