特集記事でモチベーション回復する話

書店で表紙を見て購入。

27〜99ページ、Part15にわたっての「【特集】人物撮影大全2017」。もくじを見ればわかるんだけど、この号はほとんどがこの特集記事。掲載されてる写真の良さと、文章の厚さとで、ここ最近買った写真誌のなかでは一番だった。

しばらく前までは『フォトテクニックデジタル』誌をよく買って読んでたの。でも最近は内容が薄いしマンネリで買ってなかった。近くの駅ビル内にある書店、いつのまにかフォトテク置かなくなって、でもわざわざ遠い別の書店まで足を運ぼうとは思わなかったんだよね。

その書店で特集記事をさらっと読んで、良さそうだったから、その後のカフェでの時間潰しにちょうどいいからって買ったの。

『Part5. 渡辺達生「寿影」』。控えめに言っても最高。

生前に遺影を撮影する「寿影」というシリーズだそうで、その数カットが掲載されているのだけど、表情がどれもホントに最高。「撮られる側に求めるのは、大切なものを1点持ってきてほしいということだけ」。嗚呼、なんと素晴らしいアイデア。渡辺達生氏は前にもグラビア見て「最高ー!」と思ったんで、完全に好みなんだな。

「女性のほうが化ける——っていうか、写ろうとする意識が強いじゃない? あなた私をきれいに撮れるの?って疑いのまなざしでこっちを見るよね。」(Part1. 立木義浩が撮るFaces of Time)

「——被写体は常にカメラの後ろの撮影者を観察している。撮影者の度量を測っている。共感があればラッキーだ。なければ居心地の悪さは増幅する。撮影者はそれを打破するために妙にはしゃぐのもテクニックだ。」「静かに無言にパチパチと視線をぶつけながら撮影することもある。まったくコミュニケーションが取れなくても、いや取れなかったからこそ写る写真もある。それが人物写真の醍醐味だろう。」(Part.2.横木安良夫×片山瞳「心だより。」)

写真雑誌を読んでいつも思うことで、何となく抱いてる感覚をこうやって言葉にしてもらえたときの気持ちよさっていうか。

「レンズテストのような背景がボケた写真に興味を持つ人はいない。被写体の面積が大きい、モデル主体の写真を撮ろうと思う人もいないほど、撮影者も目が肥えてきた。ただ撮影したのではモデルさんに喜ばれない時代なのだ。」(Part7. 小林幹幸 すべてのポートレートは恋愛写真である。)

このなかで、昨今SNSなんかでみる「特定モデルをアイドル的に応援するカメラマン」を肯定的に語ってるのだけど。そうそうと思うのが3割、うーんが7割。いえ、たぶん時流でみて肯定されるのが筋なんだろうけど、なんかこう、アマチュアリズムの強さと名を売りたい強欲さとがないまぜなのが、徳俵で肯定したくない気持ちにさせるんだよなあ。掲載されてる「RAIKA and IMAMIYA 2017」写真はすんごい好みですが。

「モデルも写真家の感性を探っている。そこで矢継ぎ早に誉め言葉を繰り出されても、戸惑うだけだ。」(Part10. 片岡三果 撮られる側のキモチ)

モデルから写真家になった人の言葉は、身につまされるフレーズの数々。目新しいことはあんまりないんだけど、改めて文章にして目の前に放り出されたときのショックな。…と、逆にモデルさんはカメラマンの気持ちをどれくらい理解してるのかなっていうのは、たまに思うことだったりもする。話してて「そうなんですねえ」と言ってるとき、それは本心なのかっていう。

「モデルさんのためにやらなきゃいけないことはいくらでもあるよね。」「まあ、半分は下心もありますが(笑)」(Part11. [対談]河野英喜×本誌・大貝篤史 必要なのは想像力と事前準備、そしてちょっとの下心)

あけすけだなあ。おっさん同士の対談としてはこうなっちゃうのが当たり前だけど。有名なプロカメラマンの意識としてこうなら、アマチュアなんてもう完全に主従関係、「女王様と召使い」なわけで。お金払って召使いをするわけだから、ドM極まれりって感じだ。

特集のなかだと、青山裕企氏だけが場違いにテクニカルな、肌色だのレタッチだのの記事だった。編集がバリエーション持たせたかったのかもしれないけど、浮いてるよね。

他にも「写真好きのための法律&マナー 盗撮冤罪から身を守れ」なんて記事もあったり。コンテスト写真もポートレート好き親父の自己満足みたいな写真はなくて、笑顔になれるような写真が多かった。

たまにモチベーションがなくなるんだけど、たまにこうやって外から入れるといいよね。明確な何かじゃないんだけど、ちょっと前向きになれるの。

次号の特集は風景写真らしいんで、たぶん買わないけど(笑)

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